中国空兵器 |

MiG-21フィッシュベッド(制空) 【ベースライセンス】
MiG-21は1950年代から開発されたロシア(旧ソビエト連邦)の戦闘機で、小型軽量の機体に強力なエンジンを搭載した、第二次大戦後最も成功した戦闘機のひとつである。最初の量産型は1959年頃に配備を開始した。当初は機関砲のみを装備していたがすぐに対空ミサイルを搭載する型が登場、またレーダーの装備や搭載能力の強化等の改良を加えながら各型合計で1万機以上が量産された。ソ連以外でも生産が行われ、中国ではコピー機(殲撃7型)が作られた。構造が簡単なため発展途上国でも扱いやすく、各地の紛争で使用された。ロシア空軍からは既に姿を消しているが、多くの国で現在でも多数の機体が配備されている。またこれらの機体を近代化する改修プランも複数提示されている。

MiG-21フィッシュベッド(対地) 【MiG21(制空)→MiG21(対地)】

Su30-MKK(制空) 【MiG21(制空)→MiG21(対地)→Su30MKK(制空)】
Su-30MはSu-27 フランカーの派生形の1つで、複座の多用途戦闘機である。原型となったSu-30(Su-27PU)は長距離迎撃機として作られた機体で、少数がロシア空軍に配備された。Su-30Mは航法装置などの電子機器を強化し、対地誘導兵器の運用が可能となった。Su-30MKKは中国への輸出型であるが、その兵装重量8,000kgは他のフランカーを圧倒する能力である。Su-30MKKは2003年までに76機がロシアから中国に送られたが、その後中国海軍が改良型のSu-30MK2を24機導入した。

強撃5型(対地) 【ベースライセンス】
中国がMiG-19を元に独自に開発した攻撃機である。速度性能の向上を目指して胴体を延長し、エアインテークは機首から胴体左右に移された。初期の型では延長された胴体に爆弾倉が設けられており、機体下面にも爆弾の搭載が可能である。1960年代を通して開発が行われ、1970年に部隊配備が始められた。1984年には爆弾倉を廃止して燃料搭載量を増加、全般的な性能向上を行なった強撃5型Ⅰが登場した。その後も改良が続けられ、これを更新する機体も無いことから現在でも配備中である。

強撃5型(対艦) 【5型(対地)→5型(対艦)】

轟炸6型(爆撃) 【5型(対地)→5型(対艦)→6型(爆撃)】
ソビエト連邦のTu-16 バジャーを中国がライセンス生産したものが、轟炸6型である。ロシアでは既にTu-16は姿を消したが、中国では現在も改良型が生産されている。5種類の重力落下式の核爆弾、または最大9000kgの爆弾類を搭載可能とされるが、旧式感は否めない。

轟炸6型(対艦) 【5型(対地)→5型(対艦)→6型(爆撃)→6型(対艦)】

水轟5型 【5型(対地)→5型(対艦)→6型(爆撃)→6型(対艦)→水轟5型】
水轟5型は、中国が独自に開発した多用途の飛行艇である。設計は旧ソ連の飛行艇に影響を受けたと考えられている。1970年代に開発が開始され、1984年に配備が開始されたが、現在では既に旧式化しており、ほとんど活躍することもなく退役が進んでいる。

殲撃7型(制空) 【5型(対地)→7型(制空)】
ソ連との関係悪化で予定していたMiG-21のライセンス生産が中断され、中国が独自に生産にこぎつけたMiG-21のコピー機。1966年に試作機が初飛行を行い、1967年に量産が開始された。1969年にはソ連との国境紛争(珍宝島事件)に投入されている。改良型も含めて約2400機が作られ、イラクやエジプト、パキスタン、北朝鮮ほかアジア・アフリカ諸国などに輸出も行われた。

殲轟7型 【5型(対地)→7型(制空)→殲轟7型】
中国が自国で開発した全天候戦闘爆撃機である。 試作機は1988年に初飛行を行い、1992年から生産が開始され、1995年に公開された。エンジンはブリティッシュ・ファントムで使用されていたロールスロイス・スペイMk202をライセンス生産したもので、全体のデザインもそれまでの中国軍機とは異なり西側の影響を受けたものになっている。 殲轟7型は老朽化した轟炸5型(Il-28 ビーグル)と強撃5型の後継機として空軍と海軍の共同で開発が始められたが、1980年代初期に空軍が計画から抜けたため中国海軍の対艦攻撃用戦闘爆撃機として配備された。しかし配備は少数にとどまり、2004年には各種誘導兵器の運用能力を高め、レーダーの改良などを行った殲轟7A型の配備が始められた。こちらは空軍も採用し配備を行っている。殲轟7型は現在までに合計100機以上が生産された。輸出用にFBC-1 フライング・レオパルドの名称も付けられているが、今のところ輸出は行われていない。

殲撃8型Ⅱ(制空) 【5型(対地)→8型Ⅱ(制空)】
殲撃8型は中国が1960年代に開発を開始した戦闘機である。 ソビエト連邦のMiG-21をコピーした殲撃7型の改良型で、エンジンを双発にしたがレーダーなどの技術は遅れており、決して十分な性能ではなかったために実際に製造された機体は少なかった。殲撃8型Ⅱは更なる改良型で、機体構造を大きく変更し、エアインテークを機体側面に移動して機首には大型のレーダーを搭載した。1982年から開発を開始、1980年代末には実戦配備が行われた。1998年には新型のレーダーを搭載した改良型が登場、レーダー誘導式の空対空ミサイル霹靂11を搭載可能となった。

殲撃8型Ⅱ(対地) 【5型(対地)→8型Ⅱ(制空)→8型Ⅱ(対地)】

殲撃10型(制空) 【5型(対地)→8型Ⅱ(制空)→8型Ⅱ(対地)→10型(制空)】
タイフーンやラファールに相当する新世代の戦闘機を目指し、中国が開発した戦闘機である。カナード付きデルタ翼の機体はイスラエルのラビによく似ており、技術供与も噂されている。人民解放軍空軍への配備が既に始まっており、パキスタンも導入予定である。またイランやシリア、北朝鮮などが興味を示しているようだ。

殲撃10型(対地) 【5型(対地)→8型Ⅱ(制空)→8型Ⅱ(対地)→10型(制空)→10型(対地)】

SA-342 ガゼル 【ベースライセンス】
フランスの多目的ヘリである。尾部ローターをダクテッドファンとしたことで知られ、機体全体が流線型になっていることと合わせ速度性能を向上させている。比較的小型であることと、機敏性が高いことから、敵に捕捉されにくい。

直昇9型(占領) 【ガゼル→9型(占領)】
フランスの中型ヘリコプターAS365 ドーファンを中国がライセンス生産したものが直昇9型である。輸送型の他に対戦車ミサイルを搭載した攻撃型、対潜哨戒型などが作られている。

直昇9型(攻撃) 【ガゼル→9型(占領)→9型(攻撃)】

武直10型(対地) 【ガゼル→9型(占領)→9型(攻撃)→10型(対地)】
中国初の本格的な攻撃ヘリコプターである。開発にはユーロコプターが支援を行っており、エンジンなどは輸入したものを使用しているが、これらは量産機では国産のものへと代えられる予定である。機首の下面には固定武装として30mm機関砲を搭載している。機体両側に小翼を供えており、アメリカのヘルファイアに類似した新型対戦車ミサイル紅箭10を最大8発搭載し、また無誘導のロケット弾や自衛用空対空ミサイルも携行可能と言われる。機首先端には各種センサーを備え、全天候/夜間攻撃能力を持つと見られる。最初の試作機は2003年に初飛行したと言われ、現在10機程度の試作機がテストを受けているようだ。

直昇9型C 【ガゼル→9型(占領)→9型(攻撃)→9型C】
中国で生産していた直昇9型を海軍向けに改造したものである。1987年に初飛行した機体はAS-365N ドーファン2を元にしていたが、1990年代後半には対潜能力を持たせるためにAS-565 パンサーを元にした機体が完成した。水上捜索レーダーとソナーなどを搭載し、対潜魚雷を2発搭載可能である。また母船とのデータリンク機能も備えている。

Mi-17 ヒップH(占領) 【ベースライセンス】
ロシア(旧ソビエト連邦)で開発された傑作ヘリコプターMi-8を再設計した改良型がMi-17 ヒップHである。エンジンを強化し、テイルローターの位置を変更して飛行性能を大きく改善してある。大量に生産され、ロシアを始め旧東側諸国などで現在も広く使用されている。

Mi-17 ヒップH(攻撃) 【Mi17(占領)→Mi17(攻撃)】

Mi-24 ハインド 【Mi17(占領)→Mi17(攻撃)→Mi24ハインド】
Mi-8をベースにして作られた東側初の攻撃ヘリが、Mi-24 ハインドである。機体後部に兵員を乗せるスペースがあり、必要に応じて小規模なヘリボーンを実施できる。D型以降の機体はタンデム配置式のコクピットを採用し、特徴的な外観となった。

Ka-27 へリックス 【Mi17(占領)→Mi17(攻撃)→Ka27へリックス】
Ka-25ホーモンから発展したロシア(旧ソビエト連邦)の対潜哨戒ヘリである。Ka-25の尾部を延長し新たな捜索・追跡機材などを搭載したもので、二重反転式ローターを使ったコンパクトな機体が特徴となっている。自動ホバリング装置を搭載して哨戒能力を高め、夜間や悪天候下の行動能力も向上した。また極地での活動用に防氷装置も搭載している。民間向けの機体や輸送型などの派生型が作られ、冷戦終結後は西側にも輸出された。
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