韓国陸兵器 |

M48A5K 【ベースライセンス】
M48 パットンはアメリカで開発された戦車である。M47で射撃時に狂うことが問題となったステレオ式測距機の取り付け位置を改善するために、新たに亀甲型の避弾経始に優れた形状の砲塔が作られた。車体銃は廃止され、乗員は4名となった。M48は1953年に制式化され、改良を加えながら1959年までに11703両が完成している。多くの国に輸出されたため近代化改修プランも多数存在しており、韓国では105mm砲を搭載するM48A5にサイドスカートの取り付けなど独自の改修を行ってM48A5Kと呼んでいる。

K1 【M48→K1】
K1は1980年代の驚異的な経済発展を背景に韓国が初めて開発した主力戦車である。外見的にM1 エイブラムスと似ている部分もあるが、より小型、低姿勢に設計されている。山がちな朝鮮半島で使用するため、姿勢変更機能を持つ油気圧式サスペンションを採用し、車体を前後に傾けることによって低姿勢にするため犠牲とした主砲の俯仰角を補っている。1984年から生産が開始され、約1000両が作られた。1988年に一般公開され、その際には88戦車と呼ばれている。その後2000年には主砲を120mm滑腔砲に換装、複合装甲をより強化したK1Aiが生産されているが、元の車体が小型なため各部に余裕が無く、生産は約300両で終了したといわれる。

K1A1 【M48→K1→K1A1】
韓国が開発したK1戦車に120mm滑腔砲を搭載した戦車がK1A1である。韓国軍は朝鮮半島の地形や対峙する北朝鮮の戦車の能力を考慮してK1の主砲に105mm砲を選択していたが、世界的な動向、特に近年登場した中国製新型戦車などへの対応として120mm滑腔砲をK1に搭載することとした。120mm滑腔砲の搭載により攻撃力は上がったが、元々車内容積が少ないために砲弾の搭載量は32発と大きく減少している。主砲の換装にともないFCSは新型に変更され、砲塔正面の装甲もアメリカ製の複合装甲を導入し強化されている。1996年には試作車が完成し、2001年に配備が開始された。

K2 【M48→K1→K1A1→K2】
2007年に試作車が公開され、2011年から生産に入る予定とされている。主砲はK1A1に搭載した120mm砲を基に55口径長に改良された物で、新型の射撃統制装置と自動装填装置を採用し、データリンクを搭載して攻撃力の強化を行っている。装甲は基本装甲にモジュラー式の特殊装甲を組み合わせており、損傷時や将来の改良の際に容易に新しい装甲に交換する事が出来る。またロシアのアクティブ防御システム・アレナもしくはそれに準ずる装置を取り付ける予定である。試作車の機関部にはユーロパック(ドイツ製MTU883エンジンとHSWL295TM変速機)が用いられており、量産車では国産の機関を搭載する予定だ。

KM900 【ベースライセンス】
この車両はイタリアで開発されたType6614を韓国でライセンス生産したものである。車体は防弾鋼板の溶接構造で、車体前部にエンジン、後部に兵員室がある標準的な形態を持ち、兵員10名を収容可能である。160馬力のエンジンで路上を100km/hで走行し、車輪の駆動によって水上浮行が可能である。約400両が生産され、現在は200両程度が装備されている。

K200A1 【KM900→K200A1】
K200はAIFVを基に韓国が開発した車両である。車体は防弾アルミ合金製で、浮航時の浮力増加を兼ねてポリウレタンフォームを充填したラミネートアーマーが装着されている。車体後部側面は斜めに傾斜し、ここと車体後部にはガンポートを備える。M113A2と同様にAIFVで外装式だった燃料タンクは車体内に収納し、車体後部を延長して車内容積を確保している。K200はKIFVとも呼ばれ、1985年から生産が開始された。K200A1は1994年に開発された改良型で、エンジンの強化と新型変速機の搭載を行った。各種派生型を含め、1998年までに約2000両が生産されている。

K242A1 【KM900→K200A1→K242A1】
K200A1装甲車(KIFV)から派生した自走迫撃砲である。アメリカがM113を元に作ったM106自走迫撃砲と同様に、兵員室内に全周射撃可能な円形の台座を設けて107mm迫撃砲と砲弾70発を搭載し、また車体側面には車外で射撃するための底板などを搭載している。

K532 【KM900→K200A1→K242A1→K532】
車両Bv206の後部車体に107mm迫撃砲を搭載した韓国陸軍の自走砲である。 Bv206は二つの車体を連結した関節式の車両で、接地圧が低く、極地から砂漠まで活動できる高い不整地踏破能力と水陸両用性を持っている。前部車体にはエンジンと操縦室があり、後部車体は用途に応じて各種の装備を搭載できる。後部車体にも連結部を通して動力が供給されるが、二つの車体は特殊なステアリング装置で制御され、後部車体は前部車体が通過した経路を正しく追随する事が可能である。Bv206は日本をはじめ世界37カ国で軍民を問わず使用され、生産数も10000を超えている。韓国はBv206をライセンス生産し、K532の他に電子戦支援車両K533、無線通信中継車両K534を使用している。

K263 【KM900→K200A1→K263】
韓国の対空自走砲で、国産化したK200装甲車の車体にアメリカ製のM163バルカン対空システムを搭載したものである。旧式のシステムであるため対空能力は限定されるが、その連射能力を生かして対地攻撃にも使用される。

K30 飛虎 【KM900→K200A1→K263→飛虎】
韓国が開発した対空車両である。2門の30mm機関砲にレーダーと光学センサーを組み合わせ、全天候能力を備える高度な照準装置を組み合わせた砲塔を装軌式車体に搭載している。1983年から開発が開始され、2001年から生産を開始したが、価格が高いため配備のペースは遅く、同じ砲塔をより安価な装輪式車体に搭載する計画もあるようだ。

KSAM 天馬 【KM900→K200A1→K263→飛虎→天馬】
韓国が開発した対空ミサイルシステムがKSAM 天馬である。車体はK30 飛虎と同じものを使用し、フランスの協力で開発したミサイルランチャーを取り付けている。このためランチャー部分はクロタルNGに酷似している。使用するミサイルはほぼ独自開発したもので、レーダーと光学照準を組み合わせたFCSがミサイルにコマンドを送信し誘導を行う。1999年から配備が開始された。

K21 【KM900→K200A1→K263→飛虎→K21】
韓国陸軍の最新型歩兵戦闘車である。砲塔には国産の40mm機関砲と対戦車ミサイルを装備している。車体側面の装甲板の内側には空気圧で膨らませるエアバッグ式のフロートを装備しており、歩兵戦闘車としては比較的重装甲だが浮航能力を維持している。また新世代の歩兵戦闘車として、兵員室には周囲の情報などを映すパネルが設置されている。2009年に配備が開始され、900両の生産が予定されている。

M113 【ベースライセンス】
M113はアメリカが第二次世界大戦後に開発を続けていた装軌式装甲兵員輸送車の完成形である。 車体はアルミ合金製で軽く作られ、浮航性能を持つ。シンプルな構造で生産性が高く、1959年に制式化されて大量に生産され、実戦で使用された。初期にはガソリンエンジンを搭載していたがすぐにディーゼルエンジン搭載のA1が開発され、その後燃料タンクを車外に移して車内容積を増やしたA2、装甲強化や各部の近代化を行ったA3が開発された。広く輸出も行われ、シリーズ合計で80000両以上が生産された。現在でも各種の改良型が開発されている。

M113TOW 【M113→M113TOW】
西側の代表的な装甲車となったM113には各種の派生型が存在する。この車両はTOW対戦車ミサイルを兵員室に搭載したもので、簡易的な戦車駆逐車両として使われる。

九龍 【M113→M113TOW→九龍】
九龍(クーリョン)は韓国が1980年代に開発、配備した多連装ロケットシステムである。5tトラックの車体に36連装の130mmロケットランチャーを搭載し、これを数秒で発射して敵部隊を殲滅する。ロケット弾は通常型のHE弾頭と多数の鋼球を内蔵した対人用弾頭が用意されている。

AAV-7A1 【M113→AAV-7A1】
アメリカ海兵隊が使用している水陸両用装甲兵員輸送車である。 LVTP7の改修型で、エンジンの換装や各部の強化により、性能向上と寿命延長がおこなわれている。1985年から、名称をLVTP(Landing Vehicle Tracked Personnel)からAAV(Assault Amphibian Vehicle)に変更した。

M109 【ベースライセンス】
M109 155mm自走榴弾砲は1960年代に生産が開始されたアメリカ陸軍の戦後第2世代自走砲である。 105mm榴弾砲を装備するM108と平行して開発され、同じ車体と完全旋回砲塔を用いているが、M108は威力不足ですぐに生産が停止された。M109は多数の改良型が作られ、輸出も広く行われた。現在も多数が使用中である。

M110 【M109→M110】
空輸を前提に設計された小型の車体に大口径の榴弾砲を搭載した自走砲である。 車体の走行装置にはM113のパーツを使用し、エンジンはM109自走榴弾砲と同じものを使って価格を抑えてある。砲は車体上にそのまま搭載してあり、反動は後部の駐鋤を用いて受け止める。車体が小さいため予備の弾薬や射撃要員をほとんど載せることが出来ず、弾薬輸送車両の随伴が必要である。 1961年にアメリカ陸軍に制式採用され、西側諸国に輸出も行われた。現在ではアメリカ軍からは姿を消したが、陸上自衛隊などではまだ使用されている。

MLRS 【M109→M110→MLRS】
数で優勢な旧東側諸国の地上部隊に対抗するためにアメリカとNATO諸国が共同で開発した、強力な多連装ロケットシステムである。多数の子弾を収納するロケット弾を6発のコンテナに収め、これを車体後部のランチャーに2基収める。射撃後はコンテナごと再装填を行うので、短時間で再発射が可能である。1982年から配備が始められ、湾岸戦争などでその威力を発揮した。

ATACMS 【M109→M110→MLRS→ATACMS】
ATACMSはアメリカが開発した対地ミサイルである。 ATACMSはMLRSのランチャーに装填され、弾体はMLRSのロケット弾コンテナと同じ外観に偽装したコンテナに1発ずつ収納してある。MLRSより大きな弾体は射程と搭載量が共に増え、Block1は950発の子弾を搭載し射程は165kmである。また1992年に開発されたBlock1Aは子弾を275発に減らして軽量化し、射程は300kmに達した。Block1は1991年に生産を開始して湾岸戦争に投入された。韓国陸軍にも21世紀初頭に配備されている。

ナイキ・ハーキュリーズ 【M109→M110→MLRS→ナイキ・ハーキュリーズ】
ナイキはアメリカが開発した地対空ミサイルである。対独戦の終結とほぼ同時に開発が開始され、1953年に最初のナイキ・エイジャックスが配備された。ナイキ・ハーキュリーズはエイジャックスの後継として開発されたもので、エイジャックスの欠点であった射程距離を増すために固体燃料のブースターを4本束ねてある。またミサイル本体も固体燃料となり、弾頭は通常弾頭の他に核弾頭も使用可能である。1959年からヨーロッパ駐留米軍に配備され、1979年までアメリカ軍で使用された。アメリカ以外でも採用され、一部の国では21世紀まで使用されていた。日本もナイキJとして1970年に採用し、1994年まで運用していた。

L70 【M109→L70】
スウェーデンのボフォース社で開発された40mm機関砲は、世界で最も広く使われた対空機関砲である。L70は第二次世界大戦後に登場した改良型で、砲身長を70口径に伸ばしてジェット機に対応させたもので、新型の射撃管制装置と組み合わせてある。

K9 【M109→L70→K9】
K9は韓国で始めて開発された国産自走砲である。車体はライセンス生産を行っていたM109に似ており、ドイツ製のディーゼルエンジンとアメリカ製の変速機の組み合わせで重量級の車体に十分な機動力を与えている。サスペンションは油気圧式で、車高の調整が可能である。主砲は自国製の52口径155mm砲で、新開発の砲弾を用いると最大で40kmの射程となり、自動装填装置を用いて効果的な射撃を行う事が可能だ。1999年に最初の量産車が完成し、専用の弾薬運搬車K10とともに配備が進んでいる。

ホーク 【ベースライセンス】
ホークはアメリカが開発し、西側各国で配備された地対空ミサイルである。主に低空から侵入する敵機を目標とするもので、小型、軽量で扱いやすいため改良を受けながら長く現役に留まっている。

ホーク改 【ホーク→ホーク改】
1954年にアメリカで開発されたホーク対空ミサイルは西側各国で広く使用された地対空ミサイルである。 1963年には射程の延長や信頼性の向上などを図る研究が始められ、1972年に改良型ホークがヨーロッパ駐留のアメリカ軍に配備が開始された。ホークを採用した国々も改良型を採用している。日本でも1977年から改良型への置き換えが始まり、1987年からは独自に改良を行った改善I型が登場した。以後ECCM能力と信頼性の向上を果たした改善II型、射撃装置を集約し中隊指揮装置とした改善III型が作られている。
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