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AMX-30 【ベースライセンス】
G弾として知られる弾殻が二重構造になっている特殊なHEATを使用する、フランス独自の105mm砲を搭載した第二世代型戦車である。1966年から生産され、中東諸国などへ輸出も成功したが、NATOの標準戦車の地位はレオパルト1に取られる形となった。近代化改修も行われ、低光量TVやレーザー測距儀、弾道コンピュータを搭載し、APFSDSを使うようになった主砲の命中精度を更に上げた。また防御力の改善としてリアクティブ・アーマーの装備も行った。合計3600両近く作られたが、現在ではほとんどが退役している。

レオパルト2 【AMX30→レオパルト2】
エンジンなどの技術を流用してレオパルト1を強化、全く新しい戦車としたものである。試作車の装甲には中空装甲を採用していたが、アメリカの意見などを取り入れ生産車では複合装甲を採用した。主砲は120mm滑腔砲、エンジンは1500馬力となり、数で優勢な東側戦車を質的な優位で圧倒するものである。1979年から1992年までに2100両以上が生産された。冷戦の終結後に本格的な輸出が始まり、余剰となった車両を多数輸出している。

ルクレール 【AMX30→レオパルト2→ルクレール】
フランス陸軍の最新型主力戦車である。主砲はフランスが独自に開発した120mm滑腔砲で、自動装填装置を採用している。この砲はラインメタル製120mm砲と同じ弾薬も使用可能である。装甲はモジュラー式で破損部の交換が容易に可能となっている。エンジンはハイパーバー・ディーゼルと呼ばれ、コンパクトだが1500馬力を発揮する。高度なデジタル・エレクトロニクス・システムにより自車の状態を総合的に判断でき、また他車とのデータリンク機能も併せ持つことから、第3.5世代主力戦車と呼ばれる事もある。1991年から引渡しが始まったが、当初1400両を予定していた生産数は大幅に減らされ、現在までに約400両が配備されたに留まっている。なおアラブ首長国連邦も採用し、こちらには386両が輸出された。

チーフテン 【ベースライセンス】
センチュリオン戦車とコンカラー重戦車を同時に更新する車両としてイギリスが開発した戦車である。当時の他の戦車より口径の大きな120mm砲を装備し、装甲は厚く、被弾経始を十分に考慮した形状となっている。そのため重量が55tと重戦車並になり、エンジンは馬力不足気味であった。1971年までにイギリス軍向けに約900両が生産され、他に革命前のイランやクウェートなどに輸出も行われた。

チャレンジャー 【チーフテン→チャレンジャー】
イギリスの第三世代型戦車である。車体と砲塔は溶接構造となり、正面などにチョーバム・アーマーと呼ばれる複合装甲を装着して高い防御力を誇る。エンジンは1200hpに強化され、重い車体に十分な機動性を与えた。当初は射撃精度に難があるとされたが、湾岸戦争での活躍によりその不安を払拭した。420両が生産されたが、現在では全てチャレンジャー2に更新され、318両がヨルダンに引き渡された。

チャレンジャー2 【チーフテン→チャレンジャー→チャレンジャー2】
1986年からイギリス国防省に提案された戦車である。M1A1などと比較が行われた後に採用が決定され、1994年から納入された。砲塔の構造は一新し、進化した第2世代チョーバム・アーマーで防御力を強化、新型の120mm砲と統合された新型FCSでチャレンジャーよりはるかに強力な戦車となった。これらの改良で重量は増加したが、変速機を新型の物に変更したため機動性は落ちていない。2000年までに合計386両が製造された。

ホーク 【ベースライセンス】
ホークはアメリカが開発し、西側各国で配備された地対空ミサイルである。主に低空から侵入する敵機を目標とするもので、小型、軽量で扱いやすいため改良を受けながら長く現役に留まっている。

AMX-30GCT AU-F1 【ホーク→AMX-30GCT AU-F1】
AMX-30戦車の車台に、155mm榴弾砲を搭載したフランスの自走榴弾砲。GCTは射撃に必要なシステムを全て砲塔に詰込んであり、その為車体はAMX-30、レオパルト1など様々な車体を利用する事が可能である。これは輸出を前提に開発された為で、取引先の要望に合わせて、希望の車台に砲塔を搭載する事が考えられている。

AS-90 ブレイブハート 【ホーク→AMX-30GCT AU-F1→AS-90 ブレイブハート】
イギリスは1970年代に西ドイツ、イタリアと自走砲SP70を共同開発していたが、1986年に計画が中止となった。そのためビッカーズ社が輸出用に開発していた砲塔システムを発展させ、採用したものがAS-90である。 新規に作られた車体は油気圧式サスペンションを採用し、射撃時にはサスペンションを固定する。これは全周への射撃が安定して行えると同時に、車体を固定する駐鋤を不要とする事で布陣から射撃開始への時間を短縮している。間接照準は旋回・俯仰が自動で行われ、最新の型は軍用GPSやレーザージャイロを用いて高い精度での照準を行う。また夜間も照準可能な直接照準用砲手サイトが用意されている。砲弾は砲塔の後部などに48発搭載され、自動装填装置を用いて10秒間に3発のバースト射撃や、毎分2発の持続射撃を行う事ができる。2002年から射程向上のために砲身を52口径のものに換装する事が計画され、この改修を行った車両はブレイブハートと呼ばれる。この型は通常の榴弾を用いた時の最大射程が24.7kmから30kmへと向上し、射程延伸弾を用いると最大60-80kmに及ぶと言われる。AS-90は1993年から配備が行われ、179両がイギリス陸軍向けに生産された。ポーランドはブレイブハートの砲塔システムをT-72系列の車体に搭載し、クラブと命名して2008年から導入している。

レイピア 【ホーク→AMX-30GCT AU-F1→レイピア】
イギリスで開発された対空ミサイルシステムである。1960年代に開発され、1971年から配備が始まった。コンパクトなシステムで、関連する機材、人員等は小型の車両で運搬が可能である。またM548に搭載された自走型も輸出向けに作られ、後にイギリス軍が装備している。フォークランド紛争で実戦に投入され、アルゼンチン軍機を撃墜する戦果を挙げた。

スターストリーク 【ホーク→AMX-30GCT AU-F1→レイピア→スターストリーク】
レイピア対空ミサイル・システムの後継として、イギリス軍が開発した自走式高速対空ミサイルシステムである。ミサイル本体は2段式の固体燃料ロケット・モーターから成り、先端には3本のダーツと呼ばれる小型誘導弾が収納されている。誘導方式はレーザー・ビーム・ライディング。車体にはCVR(T)計画から生まれたストーマー装甲車が選ばれ、1997年からイギリス陸軍に配備が始められた。

ローラント 【ホーク→ローラント】
西ドイツとフランスが共同開発を行った近距離対空ミサイル・システムである。使用国によってシステムを搭載する車体が異なっており、フランスではAMX-30、西ドイツでは歩兵戦闘車マルダーの車体などが用いられた。後にシステムには改良が加えられ、有効射程の向上・炸薬搭載量の増加がなされている。

SPz-2ルクス 【ベースライセンス】
SPz-2 ルクスはTPz-1 フクスと共通のコンポーネントで開発された西ドイツの装輪式装甲偵察車である。8輪駆動・8輪操向の重装甲車で、サスペンションは全輪独立式であり、車体後部にはスクリューを備えて水上浮航能力を持つ。車体は良好な避弾径始を持ち、車体正面の装甲は20mm機関砲への対弾能力を持っている。空調装置やNBC防護装置を持つなど開発された当時としては高度な機能を誇っていたが、必然的に生産コストが非常に高くなり、装甲車としては珍しく派生型が開発されなかった。1975年から生産が開始され、合計408両が生産された。

VCAC HOT メフィスト 【ルクス→メフィスト】
フランスの輸送用装甲車VABの派生型である。VCACはVehicule de Combat Antichar(戦車駆逐車)の略で、車内収納可能な昇降式の4連装HOT対戦車ミサイル発射機を搭載しており、車内に予備のミサイル8発を搭載する。

AMX-10RC 【ルクス→メフィスト→AMX-10RC】
AMX-10RCは前後が対称になっている8輪装甲車EBRの後継車として開発されたフランスの偵察用装輪式装甲車である。装軌式のAMX-10Pと多くのコンポーネントを共有しており、方向転換はタイヤを曲げずに左右で速度を変えて行う。装輪式装甲車としては当時最大の105mm砲を搭載している。サスペンションには車高変換可能な油気圧式を採用し、水上浮航も可能など高級な車両である。

RJPz ヤグアル 【ルクス→メフィスト→AMX-10RC→ヤグアル】
1950年代末、西ドイツで90mm砲を搭載する戦車駆逐車JPz4-5とSS-11対戦車ミサイルを搭載するRakJPz2が開発され配備された。この旧式化にともない、対戦車ミサイルを搭載する改造を施したものがRJPz ヤグアルである。ヤグアル2はJPz4-5の戦闘室前面の砲の搭載部分を塞ぎ、戦闘室に増加装甲をとりつけTOW対戦車ミサイルのランチャーを上部にとりつけてある。RakJPz2を改造してHOT対戦車ミサイルを装備したものはヤグアル1と呼ばれる。

TPz-1 フクス 【ベースライセンス】
SPz-2 ルクスと共通のコンポーネントで開発された西ドイツの装輪式装甲兵員輸送車である。兵員室は車体後部にあり、後面に大きな観音開き式ハッチが設けられている。また兵員用シートを折りたたむ事で、最大4tまでの貨物を搭載する事が可能である。車体後部にはスクリューが取り付けられており、積載量が2tまでなら水上浮航が可能だ。1979年末に引渡しが開始され、1000両以上が生産された。少数ではあるが複数の国に輸出も行われた。

SIDAM25 【フクス→SIDAM25】
イタリア陸軍が装備する対空車両である。車体はライセンス生産していたM113を使用し、砲塔に25mm機関砲を4門装備する。レーダーは持たず全天候性能は無いが、低光量TVを用いた照準装置は目標の自動追尾能力を持つ。1983年頃から開発を行い、1989年から合計275両が配備されている。

ゲバルト 【フクス→SIDAM25→ゲバルト】
西ドイツが1965年から開発を始めた対空戦車である。35mm90口径連装機関砲2門をレオパルト1の車体に装備し、砲塔前面に追尾レーダー、後部に索敵レーダーを備え、全天候での作戦能力を持つ。ZSU-23-4 シルカとよく対比される、西側を代表する自走対空砲である。1975年から量産され、420両が西ドイツ陸軍に引き渡された。またオランダとベルギーも導入し、現在はドイツで余剰となった車体をルーマニアとチリが購入している。

ゲバルト改 【フクス→SIDAM25→ゲバルト→ゲバルト改】
西ドイツが開発した対空戦車ゲパルトの改良型である。35mm機関砲の横に対空ミサイル・スティンガーを合計4発取り付け、より幅広い目標への対処が可能となっていた。1980年代に開発されていたが、冷戦終結に伴う軍事予算の縮小などで採用はされなかった。

VCC-1 カミリーノ 【フクス→カミリーノ】
VCC-1 カミリーノはイタリアでライセンス生産されていたM113を改良したものである。FMC社がM113を基に開発したAIFVを参考として、車体の装甲を強化し、車体後部上端を斜めにカットしてガンポートを取り付けてある。1970年代に生産された。同等の改修を既存のM113に施した車体もあり、これはVCC-2と呼ばれる。近年海外に派遣された車両には増加装甲が施されている。

マルダー 【フクス→カミリーノ→マルダー】
マルダーは西ドイツの歩兵戦闘車である。 これ以前に配備していたSPZ-12-3のコンセプトを発展させた車両で、車体後部に大型のランプを設けた乗員室を備え、歩兵が乗車戦闘を行うためにガンポートを装備している。20mm機関砲は頭上式砲塔に装備され、また兵員室上面にはリモコン式の機関銃も装備している。新型の主力戦車レオパルト1と共に行動する為に高い機動性を持つが、開発の当初から装甲を重視していた為、水上浮航は考慮されていない。その後改良が行われ、夜間戦闘能力の向上や装甲の強化が行なわれた。またミラン対戦車ミサイルが搭載されたが、一方ではガンポートやリモコン式機関銃は効果が低いと判断されて取り外された。1969年に制式化され、1975年までに2136両が完成し、現在もドイツ国防軍の主力歩兵戦闘車として配備されている。

B-1 チェンタウロ 【フクス→カミリーノ→マルダー→チェンタウロ】
B-1 チェンタウロはイタリア陸軍の重装輪装甲車である。イタリア半島南部への敵の上陸に際し、高速で上陸地点へと移動し敵に反撃を行う目的で作られたもので、主力戦車にも対抗可能な低反動105mm砲を装備している。大型の車体に520馬力のエンジンを搭載し、駆動・操向方式を変更可能な高級な足回りで高い機動性を持つ。装甲は小火器や弾片への対弾能力を持つが、近年では各所に増加装甲が装着されている。1990年から生産が開始され、約400両がイタリア陸軍に配備された。またスペインにも輸出が行われている。

EU国歩兵 【フクス→EU国歩兵】
標準的な装備の歩兵部隊である。

EU国戦闘工兵 【フクス→EU国歩兵→EU国戦闘工兵】
敵前で障害の排除や陣地の構築などを行う部隊が戦闘工兵である。堅固な障害物を排除するために一般の歩兵と比べ重武装となっている。
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