中国陸兵器 |

63式軽戦車 【ベースライセンス】
中国はソビエト連邦の水陸両用戦車PT-76を60式軽戦車としてライセンス生産していたが、これを独自に改良し発展させた車両が63式軽戦車である。PT-76と同様に舟型の車体の後部にウォータージェットを備え、高い渡河能力を持っている。 砲塔は62式軽戦車のものに似た3名用の大型砲塔に交換され、85mm砲を装備している。重量が増加したものの、エンジン性能の向上により60式を上回る機動性を持っている。1963年ごろから約1500両が作られ、一部は改良を受けながら現在も使われている。

99式軽戦車 【63軽→99軽】
中国が旧ソ連のPT-76をもとに開発した63式軽戦車の改良型である。 装甲を強化した新型の砲塔に105mm砲を搭載し、精度の高いFCSとの組み合わせで攻撃力の強化を行った。車体は成型され、上陸作戦に耐えうる高い凌波性を持つが、2005年に行われたロシアとの合同演習では2両が水没する事故を起こしたようだ。1997年から生産が開始された。

北京212/無反動砲 【63軽→北京212】
北京212は中国で1960年代に作られ、長期間生産され続けた中国を代表する小型軍用車両である。 ソ連のUAZ-469に強い影響を受けたデザインで、構造もアメリカや西ドイツ、ソ連の車両などを参考にしている。105mm無反動砲を搭載した型は空挺部隊で火力支援や対戦車用途に使用された。

T-55 【ベースライセンス】
第二次世界大戦で活躍したソビエト連邦のT-34を発展させた、強力な中戦車がT-54/55である。 世界で最も多く生産された戦車であり、単純な構造で発展途上国でも容易に扱えるため、開発後半世紀以上たった現在でも世界中で使用されている。車体、砲塔ともに避弾経始に優れた形状をしており、低いシルエットとあいまって高い防御力を誇る。また当時としては大口径の100mm砲を装備しており、中東戦争などで西側戦車と死闘を繰り広げた。T-55はNBC防護装置を標準装備とし、各種の改良を加えてあるが基本的にはT-54と同一の戦車である。シリーズ合計で約10万両が生産された。中国ではT-54Aを59式戦車としてライセンス生産し、その後開発された中国製戦車の基本となっている。

69式戦車 【T55→69式】
69式戦車は1969年に起こったソビエト連邦との国境紛争で鹵獲したT-62を参考にして、59式戦車に改良を加えた戦車である。新しく開発した100mm滑腔砲搭載のⅠ型と在来型の100mm砲を搭載したⅡ型がほぼ同時に開発されたが、滑腔砲の威力が低かったためⅡ型を中心に生産された。80年代にイラクなどに大量に輸出された。

88式戦車B 【T55→69式→88式B】
88式戦車は中国が59式戦車を更新するために開発した80式戦車の改良型である。 転輪の配置を変更しエンジンの出力を強化、車体正面には複合装甲を備える。砲塔のデザインは以前とあまり変わらず鋳造のままだが、L7系列の105mm砲とデジタルFCSを組み合わせ、105mm砲搭載車両としては一応の性能を持っている。また、88式戦車Bはより新しいFCSを備え、行進間射撃の精度を向上させている。1986年から80式戦車は生産されたが、約500両で生産は終了、1995年までにほぼ全てを88式および88式戦車B型に改修しており、現在も配備されている。

96式戦車 【T55→69式→88式B→96式】
88式戦車の車体に複合装甲を取り入れた新型の砲塔を搭載した車両である。砲塔は輸出向けに作られた85式戦車のものを元に開発され、旧ソ連のT-72と同じ125mm滑腔砲と自動装填装置を搭載している。59式戦車の更新を行うには高価すぎる99式戦車を数的に補うために大量に生産された。現在は装甲を強化した改良型が生産されているようだ。

99式戦車 【T55→69式→88式B→96式→99式】
59式戦車として国産化したT-54を改良し、独自に発展した中国戦車に再度ロシアの技術を導入して完成した第3世代戦車が99式戦車である。1999年の建国記念パレードに初登場した、試作車両に位置する98式戦車と比べると装甲が強化され、エンジンの出力も1500HPへと向上している。また、砲塔上にはレーザー防御システムを備え、敵の照準を妨害するとされている。2000年から生産を開始したが、高額なため配備のペースは遅い。

85式装甲車 【ベースライセンス】
85式装甲車は中国が最初に開発した装甲兵員輸送車YW-531の改良型で、YW-531Hとも呼ばれる。 車体はYW-531より大型化され、動力系と駆動系が強化された。車体寸法に対して最大乗員数が多く、その点においては他国のAPCより優位性があるが、装甲・対NBC性能において信頼性を欠く。

WZ-551 【85式歩→WZ551】
中国で開発された装輪式装甲兵員輸送車である。 歩兵戦闘車型を始めとして4輪で対戦車ミサイルを搭載した型や6輪、8輪の各種自走砲など、車体の大きさや武装で多数の派生型が作られている。1986年に始めて確認され、現在までに大量に生産されているようだ。

83式自走砲 【85式歩→WZ551→83式自走】
1984年の軍事パレードで存在が確認された中国の152mm自走榴弾砲である。 中国初の近代的自走砲で、形状からソビエト連邦の自走砲2S3に強く影響を受けたことが伺われるが、車体や武装など全て中国製である。生産は既に終了し、生産数や輸出が行われたかどうかなどの情報は明らかになっていない。

88式対空自走砲 【85式歩→WZ551→83式自走→88式対空】
中国の対空自走砲で、69式戦車の車体に37mm連装機関砲を搭載したものだ。レーダーなどを備え一応の性能は持つが、生産は少数に終わったようだ。

PGZ-95 【85式歩→WZ551→83式自走→88式対空→PGZ95】
1999年の軍事パレードで初登場した中国の対空車輌。 砲塔は左右にそれぞれ25mm連装対空機関砲と連装SAMを搭載している。砲塔の前部にはレーザー測距儀や低光量TV、砲塔後部には捜索レーダーを装備し、全天候の戦闘能力を持っているようだ。

89式自走ロケット 【85式歩→WZ551→83式自走→88式対空→89式ロケット】
奇異な外見を持つ、中国製122mm自走多連装ロケット・システムである。 83式自走砲と共通の車体の後部にBM-21と同様の40連装の122mmロケット弾発射機を搭載し、車体前方には再装填用ロケット弾コンテナを持つ。これにより射撃後に迅速な再装填が可能である。

05式自走砲 【85式歩→WZ551→83式自走→88式対空→89式ロケット→05式自走砲】
クウェートとサウジアラビアに輸出されたPLZ-45から発展したものと見られる、中国最新の155mm自走榴弾砲である。PLZ-45の物より大型化した砲塔に52口径となった155mm砲を搭載し、最大射程は40km以上となった。ロシアの2S19のものをコピーしたともいわれる自動装填装置を備え、レーザー誘導砲弾の射撃も可能である。車体も大型化し、西側の兵器と同様にNBC防護装置や自動消火装置などを装備している。2003年に完成したが、存在が知られたのは2005年であった。2007年に正式に公開され、現在配備が進められている。

92式ATGW 【85式歩→WZ551→92式ATGW】
中国の装輪装甲車WZ-551の派生型である。4×4型のWZ-550の車体に4連装の対戦車ミサイル発射機を搭載している。車体後部の浮航用スクリューが取り外されているため、水上浮行はできない。

89式対戦車自走砲 【85式歩→WZ551→89式対戦車】
現在では珍しい対戦車自走砲である。中国が開発したもので、83式自走砲と同一の車体に西側標準のドイツ製120mm滑腔砲を搭載しているようだ。

86式歩兵戦車 【85式歩→WZ551→86式歩】
この車両は中国が1970-80年代に入手した旧ソ連のBMP-1をコピーしたものである。1987年からテスト生産が開始され、1992年から本格的な配備が開始された。約1000両が生産されたと推定され、また各種の派生型が作られている。

97式歩兵戦車 【85式歩→WZ551→86式歩→97式歩】
2005年ごろに配備が始まったと思われる、中国最新の歩兵戦闘車である。ロシアのBMP-3の武装システムを導入し、100mm砲と30mm機関砲を連装で持つ。BMP-3とは異なりエンジンを車体前部に置き、兵員室への出入りがしやすくなっている。

CN国歩兵 【85式歩→CN国歩】
標準的な装備の歩兵部隊である。人口が多いためか調達コストが最も低くなっている。

9K51グラード 【ベースライセンス】
第二次世界大戦で活躍した多連装ロケット発射機BM-13「カチューシャ」に換えて装備されたソビエト連邦の多連装ロケット・システム。BM-21として知られる。パイプ式のロケット弾発射機を40本束ねてトラックに搭載したもので、東側のみならずこの種の車両の基本となった。1960年代に登場したが、現在でも改良型を含め多数が世界中で使われている。

59式130mm加農砲 【グラード→加農砲】
中国でライセンス生産された130mmカノン砲M-46である。1950年代にソ連の協力で生産を開始、1970年代には独自の改良型も作られた。M-46と同様に各国に輸出され使用されている。

東風11号 【グラード→加農砲→東風】
東風11号(DF-11)は1970年代に中国が開発した短距離弾道ミサイルである。射程は初期の型で約300km、GPS誘導装置を備えた後期型DF-11Aでは500kmに達した。DF-11Aは大量に配備され、1990年代にはパキスタンへも輸出された。
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