ロシア空兵器 |

MiG-21フィッシュベッド(制空) 【ベースライセンス】

MiG-21フィッシュベッド(対地) 【MiG21(制空)→MiG21(対地)】
MiG-21は1950年代から開発されたロシア(旧ソビエト連邦)の戦闘機で、小型軽量の機体に強力なエンジンを搭載した、第二次大戦後最も成功した戦闘機のひとつである。最初の量産型は1959年頃に配備を開始した。当初は機関砲のみを装備していたがすぐに対空ミサイルを搭載する型が登場、またレーダーの装備や搭載能力の強化等の改良を加えながら各型合計で1万機以上が量産された。ソ連以外でも生産が行われ、中国ではコピー機(殲撃7型)が作られた。構造が簡単なため発展途上国でも扱いやすく、各地の紛争で使用された。ロシア空軍からは既に姿を消しているが、多くの国で現在でも多数の機体が配備されている。またこれらの機体を近代化する改修プランも複数提示されている。

MiG-23 フロッガー(制空) 【MiG21(制空)→MiG23(制空)】

MiG-23 フロッガー(対地) 【MiG21(制空)→MiG21(対地)→MiG23(対地)】
MiG-23は1960年代に開発されたロシア(旧ソビエト連邦)の可変翼戦闘機である。 MiG-23の可変翼はあらかじめ決められた3パターンの後退角を手動で選択するもので、飛行中に頻繁に切り替えるものではなく、離着陸時の揚力増加や高速飛行時の抵抗減少を目的としている。最初の生産型は赤外線誘導のK-13ミサイルのみを使用していたが、1972年に登場し本格的に生産されたMiG-23Mではレーダー誘導ミサイルの運用が可能となっている。初期の型は前線戦闘機として運用されたが、1974年から生産されたMiG-23ML以降の型は地上攻撃にも使われる多用途戦闘機となっている。また対地攻撃専用のMiG-23Bが開発され、MiG-27へと発展する。MiG-23は1985年までに合計で5000機以上が生産された。

MiG-25 フォックスバット 【MiG21(制空)→MiG23(制空)→MiG25】
MiG-25はアメリカが計画していた爆撃機XB-70 バルキリーに代表される超高速・超高高度でのソビエト連邦への侵攻に対抗するために作られた迎撃戦闘機である。高度20km以上を3000km/hで飛行することを目標としており、大型の機体に強力なエンジンと当時戦闘機用として最も強力なレーダーを搭載し、大量の燃料を搭載する。迎撃型のMiG-25Pが1969年、レーダーに換えてカメラを搭載した偵察型のMiG-25Rが1970年から量産されたが、1976年に亡命目的でMiG-25Pを日本の函館空港に強行着陸させた事件により、機体の詳細な情報が西側に知られることとなった。その後搭載機器を変更したMiG-25PDが生産に入り、既存機の改修も行われている。生産は1984年まで行われた。シリーズ合計で1190機が作られ、中東諸国などへの輸出も行われた。

MiG-27 フロッガー 【MiG21(制空)→MiG21(対地)→MiG23(対地)→MiG27フロッガー】
MiG-23の機体を改修し、地上攻撃専用の機体としたのがMiG-27である。 機首の火器管制レーダーは外され、誘導兵器への指示等を行うレーザー測距/目標指示装置が取り付けられた。固定武装は23mm機関砲から30mm機関砲へと変更されている。攻撃機としてはMiG-23系列のMiG-23Bシリーズよりも能力が高いため輸出は制限されている。本格的な生産型となったMiG-27Mは1972年に初飛行を行い、MiG-27は約1000機が生産された。インドでは1984年からライセンス生産が行われ、165機が完成した。

MiG-29 ファルクラム(制空) 【MiG21(制空)→MiG21(対地)→MiG23(対地)→MiG29(制空)】

MiG-29 ファルクラム(対地) 【MiG21(制空)→MiG21(対地)→MiG23(対地)→MiG29(制空)→MiG29(対地)】
MiG-29 ファルクラムは旧式化したMiG-21やSu-15などに代わる戦術戦闘機として作られた機体である。 F-15やF-16などのアメリカの新型機に対抗するために、視界外射程での戦闘能力と高い機動性を持つ。機体はSu-27に似ているが一回り小型で、航続距離や搭載量も小さい。前線に近い飛行場で使用するためにエアインテイクには異物吸入防止用の扉が備えられ、離着陸時に自動で閉じるようになっている。1983年にソ連空軍に配備が開始され、同盟諸国への輸出にも力を入れられた。1986年にフィンランドを訪問して詳細な姿が明らかになり、1988年にはイギリスの航空ショーに展示され話題を独占した。性能向上を目指した派生型が多数作られた。現在までに1300機近くが作られた。

MiG-29S ファルクラム 【MiG21(制空)→MiG21(対地)→MiG23(対地)→MiG29(制空)→MiG29S】
ソ連の戦闘機MiG-29の能力向上型がMiG-29Sである。コクピット後部の胴体背部が若干盛り上がり、燃料搭載量が増加している。レーダー、FCSも更新され、多目標追尾能力が向上しR-77の運用能力も追加された。ハードポイントも増えて、武器搭載量が大きくなっている。ソ連空軍のほか各国へ輸出もされたが、輸出型ではレーダーのグレードが下げられている場合もある。

Mig-29SMT ファルクラム 【MiG21(制空)→MiG21(対地)→MiG23(対地)→MiG29(制空)→MiG29S→MiG29SMT】
MiG-29SMTはMiG-29を改修した戦闘機である。 ソ連崩壊に伴い開発中止となった新世代機MiG-29Mの技術を用いており、新型のジュークMEレーダーを装備し、操縦装置の変更やグラスコクピット化などが行われた。胴体の背面は大きく盛り上がり、大型の燃料タンクを搭載している。1998年に改修計画がスタートし、1999年にはおよそ30機が改修を受けたとみられている。またイエメンなどに少数が輸出された。

Su-17 フィッター 【ベースライセンス】
Su-17 フィッターはソビエト連邦の戦闘爆撃機である。 Su-7 フィッターの後継機として作られ、貧弱な兵器搭載量や航続距離、難のある離着陸性能を改善する目的でソ連で初めて可変翼を採用した。1966年に初飛行を行い、1971年に完成したSu-17Mから本格的に配備された。その後燃料搭載量の増加や誘導兵器の搭載などの改良を受けながら1990年まで生産が続けられた。Su-17Mの輸出型は名称をSu-20とされ、それ以降の機体ではSu-22となっている。シリーズ合計で2800機以上が生産され、ロシア空軍には残っていないが輸出された国々では現在も使われている。

Su-24 フェンサー(対地) 【Su17→Su24(対地)】

Su-24 フェンサー(対艦) 【Su17→Su24(対艦)】
東西冷戦の最中の1970年代に量産されたロシア(旧ソビエト連邦)の全天候型戦闘攻撃機がSu-24 フェンサーである。冷戦当時は西側が正確な情報をつかむ事が出来ず、可変翼やサイド・バイ・サイド式のコクピットを備えていた事もあってアメリカのF-111と比較され、長距離進行可能な高速機と見られていたが、実際には機体構造が頑丈で重く、最高速度は大きく劣っていた。またエンジンの燃費が悪く航続距離も短い。約1000機が生産され、現在もロシア空軍に配備されている。また輸出も広く行われた。

Su-25 フロッグフット 【Su17→Su24(対地)→Su25】
Su-25 フロッグフットはアメリカのA-10と同様に近接航空支援用に開発された機体である。 ソ連空軍に1981年頃に配備され、直後にアフガニスタンで実戦に投入された。機体には各部に装甲が施され、被弾時の生存性を高めている。同目的のA-10と機体の性格が極めてよく似ているが、サイズはひと回り小さく、その分弾薬の搭載量も少なくなっている。登場後早い時期に輸出が始まっており、多くの国で採用された。

Su-27 フランカー 【Su17→Su24(対地)→Su25→Su27】
Su-27 フランカーはアメリカの新型戦闘機や巡航ミサイルなどの新たな脅威に対抗するために作られたロシア(旧ソビエト連邦)の制空戦闘機である。双発双尾翼の機体形状は中央流体力学研究所が提示したデータを元に作られたもので、同じデータを元に作られたMiG-29と外形が似たものとなっている。操縦装置はアナログ式フライ・バイ・ワイヤを採用しており、強力なエンジンと合わせ運動性能はきわめて高く、1989年にフランスで行われた航空ショーではコブラと呼ばれる機動を披露して話題をさらった。大型の機体は燃料搭載量も大きく、機内の燃料のみで約4000kmの飛行が可能である。ミサイルは最大で12発を搭載可能である。1985年に実戦配備が始まり、各種の改良型、派生型が作られた。

Su-33 フランカー(制空) 【Su17→Su24(対地)→Su25→Su27→Su33(制空)】

Su-33 フランカー(対地) 【Su17→Su24(対地)→Su25→Su27→Su33(制空)→Su33(対地)】
Su-33はSu-27を艦上戦闘機としたものである。1991年頃に少数がロシア海軍に引き渡され、空母アドミラル・クズネツォフに配備された。空母の格納庫に収納するために翼を折りたたみ式としたほか、前輪の強化や着艦フックの取り付けを行ない、主翼の前にはカナード翼を追加してある。

Su-34 【Su17→Su24(対地)→Su25→Su27→Su33(制空)→Su33(対地)→Su34】
Su-27フランカーの発展型の一つで複座の戦闘爆撃機。初期にはSu-27IB(IBは戦闘爆撃機の略号)と呼ばれていたが、資金難で一度製造が中止され、量産再開時にSu-34と改められた。機体は機首を大幅に設計変更して並立複座のコクピットを設け、居住性を持たせて長距離のミッションでも乗員の疲労を防ぐことができる。カナード翼とダブルタイヤの前脚を持つのも特徴である。現在ロシア空軍に配備が進められている。

Tu-16 バジャー(爆撃) 【Su17→Su24(対艦)→Tu16(爆撃)】

Tu-16 バジャー(対艦) 【Su17→Su24(対艦)→Tu16(爆撃)→Tu16(対艦)】
1950年代に実用化されたロシア(旧ソビエト連邦)の中型ジェット爆撃機である。1954年に実戦配備され、約1500機が生産された。現在ではロシア軍からは退役しているが、中国では轟炸6型として独自の発展型が生産されている。

Tu-22M バックファイア 【Su17→Su24(対艦)→Tu16(爆撃)→Tu22M】
ロシア(旧ソビエト連邦)のTu-22MはTu-16 バジャーの後継として1960年代に登場した超音速爆撃機Tu-22 ブラインダーを発展させた爆撃機である。 Tu-22の欠点であった航続距離などを改善するために可変後退翼を組み合わせた機体として計画されたが、完成した機体はTu-22からはデザインが大きく変化したものとなった。開発はTu-22の配備が始まった直後の1960年代中頃から行われ、先行量産型のTu-22M0が1969年に9機完成した。この機体は翌年には偵察衛星により撮影が行われ、Tu-26 バックファイアと呼ばれた。1971年にはエンジンを変更した先行量産型Tu-22M1が9機製造された。 最初の生産型は1972年のTu-22M2で、主翼が拡大され最大後退角が65度に増やされるなどの改良が行われた。1983年から配備が始まったTu-22M3は最終生産型で、エンジンが強力になりインテークの形状が変化し、最大速度が向上している。武装は大型の対艦ミサイルKh-22(AS-4 キッチン)やKh-15短距離ミサイルで、Kh-22は胴体に半埋め込み式に搭載する他に翼付け根下のパイロンに搭載する事も出来る。Kh-15は爆弾槽内の回転式ランチャーに装備し、機外にも搭載可能である。また通常爆弾も使用する。 Tu-22M2からは空中給油装置が付けられていたが、1979年の第二次戦略兵器制限交渉(SALTⅡ)により取り外された。Tu-22M2は211機、Tu-22M3は268機生産されたと言われる。Tu-22Mはアフガニスタンなどで実戦に投入され、現在もTu-22M3がロシア軍に150機程度配備され、一部には近代化改修が行われている。

Tu-95 ベア(爆撃) 【Su17→Su24(対艦)→Tu16(爆撃)→Tu95(爆撃)】
ロシア(旧ソビエト連邦)のTu-95 ベアは4基の二重反転方式ターボプロップエンジンを装備する戦略爆撃機である。燃料効率が良いため、非常に長い航続性能を有している。Tu-160が登場するまでの長期間、無給油でアメリカ本土を爆撃できる唯一の爆撃機であった。

Tu-142 ベアF(対潜) 【Su17→Su24(対艦)→Tu16(爆撃)→Tu16(対艦)→Tu142(対潜)】
ロップエンジンを装備するロシア(旧ソビエト連邦)の戦略爆撃機である。 最初の量産機は1956年に配備を開始したが、その後も改良型が作られ、半世紀以上経った現在でも部隊配備されている。Tu-142は1968年に登場した対潜哨戒型である。初期の爆撃型に比べ空力的に洗練された第二世代の機体に捜索レーダーやソノブイなどを備え、また主翼下に対艦ミサイルAS-20を搭載可能である。

Mi-17 ヒップH(占領) 【ベースライセンス】

Mi-17 ヒップH(攻撃) 【Mi17(占領)→Mi17(攻撃)】
ロシア(旧ソビエト連邦)で開発された傑作ヘリコプターMi-8を再設計した改良型がMi-17 ヒップHである。エンジンを強化し、テイルローターの位置を変更して飛行性能を大きく改善してある。大量に生産され、ロシアを始め旧東側諸国などで現在も広く使用されている。

Mi-24 ハインド 【Mi17(占領)→Mi17(攻撃)→Mi24ハインド】
Mi-8をベースにして作られた東側初の攻撃ヘリが、Mi-24 ハインドである。機体後部に兵員を乗せるスペースがあり、必要に応じて小規模なヘリボーンを実施できる。D型以降の機体はタンデム配置式のコクピットを採用し、特徴的な外観となった。

Mi-28 ハボック 【Mi17(占領)→Mi17(攻撃)→Mi24ハインド→Mi28ハボック】
アメリカのAH-64 アパッチに対抗するために開発された、Mi-24 ハインドに続くロシア(旧ソビエト連邦)の攻撃ヘリである。兵員輸送も考慮されていたMi-24とは異なり純粋な攻撃ヘリで、高い機動性と武器搭載能力を持つ。またコクピットの周囲には装甲が施されている。1982年に試作機が完成し、Ka-50と次期制式攻撃ヘリの座を争ったが、1984年に次期主力攻撃ヘリはKa-50に決定し、ソ連崩壊後の1993年に一旦開発は中止された。しかし財政難によりKa-50の生産が進まず、その間にレーダーを搭載し夜間行動能力を改善した全天候型のMi-28Nが開発され、1996年には初飛行を行った。2006年にロシア空軍はMi-28Nの採用を発表し、今後本格的な生産が予定されている。

Ka-27 へリックス 【Mi17(占領)→Mi17(攻撃)→Ka27ヘリックス】
Ka-25ホーモンから発展したロシア(旧ソビエト連邦)の対潜哨戒ヘリである。 Ka-25の尾部を延長し新たな捜索・追跡機材などを搭載したもので、二重反転式ローターを使ったコンパクトな機体が特徴となっている。自動ホバリング装置を搭載して哨戒能力を高め、夜間や悪天候下の行動能力も向上した。また極地での活動用に防氷装置も搭載している。民間向けの機体や輸送型などの派生型が作られ、冷戦終結後は西側にも輸出された。

Ka-50 ホーカム 【Mi17(占領)→Mi17(攻撃)→Ka27ヘリックス→Ka50ホーカム】
Mi-24の後継として開発されたロシア(旧ソ連)の攻撃ヘリである。 攻撃ヘリとしては異例の単座機で、カモフが得意とする二重反転ローターを採用し、機体を小型化する事で被弾率を減少させている。またコクピット周辺にはセラミックの防弾板を備え、射出座席を採用するなど生存性を高めてある。攻撃能力も高く、シュクヴァル昼間用自動追尾照準装置を使用して10km先の目標に攻撃が可能である。また対地能力だけでなく攻撃ヘリ同士の空中戦も想定されており、運動性が極めて高い。チェチェンで実戦に投入された。

Su-24MP フェンサー 【BTR60→RS国歩兵→RS国戦闘歩兵(SP)】
東西冷戦の最中の1970年代に量産されたロシア(旧ソビエト連邦)の全天候型戦闘攻撃機がSu-24 フェンサーである。MP型は電子情報収集に使用される機体で、機体の内外にECMポッドなど各種の電子戦装置を搭載する替わりに、対地攻撃能力は省略されている。Yak-28PPの後継として1980年代に少数が作られ、現在はロシアとウクライナが保有している。
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